韻とアイデアほか

日本語の押韻などに関する走り書きetc...

【翻訳練習】Aesop Rock - None Shall Pass

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Aesop Rock - None Shall Pass

 ※今回の記事は某氏のブログに掲載した対訳にちょいと手を加えたものになります。原文にあったコラムのような駄文はカットさせていただきました。だって恥ずかしい!

 

 さて今回はアメリカの00年代アングラ全盛期、その筆頭として名を馳せていたMCであり、英語圏でもっともボキャブラリーに富んだラッパーであるAesop Rockの代表曲『None Shall Pass』の対訳になります。前述の通り数年前に書いたものを引用しております。稚拙さという点であまり現在と変化はない模様...

 

 Aesop Rockはその語彙を暴力的なまでに乱用した難解なリリックで知られていて、つい最近リリースした回顧録的アルバム『Impossible Kid』を除けば、わかりやすい曲は皆無といって良いです。

 翻訳初心者がなぜこんなラッパーを選んだかといえば、それはその元々の難解さによって翻訳の粗が隠れるかな、などとゲスなアイデアが浮かんだからでもあります(爆)精度の正確さなど知ったことではない。

 

 というわけでこの翻訳に関してもよほど信頼の置けるものとはとても言えませんが、参考までに、はたまた時間つぶしなどにどうぞ...ちなみにタイトル『None Shall Pass』の由来はロードオブザリングのガンダルフの台詞ともモンティパイソンの低予算映画とも言われております。どっちかは知らん。

 

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[verse1]
Flash that buttery gold, jittery zeitgeist
バターのような黄金を輝かせろ、過敏な風潮
Wither by the watering hole, Water patrol
飲み屋で枯れるがいい、水上警備隊
What are we to Heart Huckabee
何が俺たちハッカビーズにさせるのか
Art fuckery suddenly
芸術は唐突に馬鹿げはじめ
Not enough young in his lung for the water wings
彼の両肺の浮き輪はもう十分に若くはない

 

Colorfully vulgar poacher out of mulch
低俗な迷彩の侵入者が腐葉土を飛び出す
Like “I’m a pull the pulse out a soldier and bolt
まるで『俺はパルス出力された兵であり電撃だ』とでも言うように

(Fine)
(結構)

 

Sign of the time we elapsed
俺たちの通過してきた時間のあらわれだ――
When a primate climb up the spine and attach
――霊長類が背骨とアタッチを這い上がってくる、その時の

 

Eye for an eye”, by the bog's life swamps and vines
『目には目を』、湿地生活の沼とブドウいわく
They get a rise out of frogs and flies
彼らは『蛙と蝿の飛躍』をしていく
So when a dog fights hog-tied prize sort of costs a life
だからドッグファイトの膠着を競って生活を犠牲にするとき
The mouths water on a fork and knife
フォークとナイフには唾がべっとり付いている

 

And the allure isn't right
そして魅惑は正しくなく
No score on a war-torn beach
荒廃したビーチにスコアはない
Where the cash cows actually beef?
金持ちの牛たち(ドル箱)はどこで実際のビーフをやるのか?
Blood turns wine when I leak for police
血はワインに返る、警察にリークするなら
Like “That's not a riot, it's a feast, let's eat!”
こんな具合に…『こいつは暴動じゃない、ご馳走だ、いただこう!』

 

[hook]
And I will remember your name and face
そして俺はアンタの名前と顔を記憶するだろう
On the day you were judged by the funhouse cast
その日、幽霊屋敷の面々に審判されたのさ
And I will rejoice in your fall from grace
そしてアンタの『猶予後の秋』に俺は喜ぶのだろう
With a cane to the sky, like
杖を空にかかげ、様は
None shall pass
通しはしない


[verse2]
Now if you never had a day a snow cone couldn't fix
今アンタにかき氷のカップ(ヘロイン)を抑えられなかった日がないのなら
You wouldn't relate to the rouge vocoder blitz
アンタはギャングスタボコーダー使いと仲良くすることはないだろう
How he spoke through a no-doz, motor on the fritz
中毒抑止剤なしに彼はどう喋ったのか、モーターは故障した
Cause he wouldn't play rollover, fetch, like a bitch
だってビッチみたく連れ込み、寝転がりはしないだろうから

 

And express no regrets,
そして後悔を顔にせず、
Though he isn't worth the homeowners piss,
しかし彼には大家のションベンほどの価値もなく、
To the jokers who pose by the glitz
きら星を気取るピエロへと……

 

(Fine)
(結構)

 

Sign of the swine and the swarm
豚と群衆のあらわれだ――
When a king is a whore who comply and conform
――王が順応従順な売女である、その時の

 

Miles outside of the eye of the storm
台風の目の1マイル外側で、
With a siphon to lure out a prize and award
サイフォンで吸い上げられた賞とアワードを共にして、
While avoiding the vile and bizarre, that is violence and war
同時に下劣さと奇怪さを避けて通る――それはすさまじく、そして戦争的
True blue triumph is more. Like…
『忠実な勝利はより豊かだ。まるで…』

 

Wait, let it snake up out a the centerfold
待て、袋綴じをうねり上がってみせろ
Let it break the walls of Jericho. Ready? Go!
ジェリコの壁を打ち破ってみせろ、準備は?行こう!
Sat where the old cardboard city folks
腰をおろせ、古びたダンボー街の家主として
Swap tails with heads like every other penny throw
結末と序章を取り替えるんだ、他すべての小銭を投げ捨てるように…

 

[hook]
And I will remember your name and face
そして俺はアンタの名前と顔を記憶するだろう
On the day you were judged by the funhouse cast
その日、幽霊屋敷の面々に審判されたのさ
And I will rejoice in your fall from grace
そしてアンタの『恵みの秋』に俺は喜ぶのだろう
With a cane to the sky, like
杖を空にかかげ、様は
None shall pass
通しはしない


[verse3]
Okay, woke to a grocery list
オーケー、お使いメモに目が覚めたよ
Goes like this: duty and death
こうつづいてる : 義務と死亡
Anyone object, come stand in the way
誰もが反抗し、方法に戸惑うのさ
You can be my little Snake River Canyon today
アンタは今日、俺のちょっとしたスネーク・リバー・キャニオンになれる

 

And I ran with a chain of commands
そして俺はコマンド入力とともに飛び回って、
And a jetpack strapped where the backstab lands if it can
そして、もし飛べるなら悪意のにジェットパックはすっからかんだ

 

(Fine)
(結構)

 

Sign of the vibe in the crowd
雑踏の波にいる感覚のあらわれだ――
When I cut a belly open to find what climb out
――腹を切り開き、やりきるとは何なのかを探す、その時の

 

What a bit of gusto he muster up
わずかでも何が嬉しくて彼は奮い立つのか
Make a dark horse rush like enough's enough
もうたくさんという程に穴馬の殺到を生みだして
It must’ve struck a nerve so they huff and puff
ゆえ彼らは息を切らせ、神経を痛めたに違いない
Till all the king's men fluster and clusterfuck
すべての王者があえぎ、皆殺しになるまで

 

And it's a beautiful thing
そして、それは素晴らしいことだ
To my people who keep an impressive wingspan
見惚れる翼を広げつづける人たちへ
Even when the cubicle shrink
いかに個室が狭くなろうとも
You gotta pull up the intruder by the root of the weed
アンタは邪魔するやつの草の根まで引っこ抜かなきゃならない
And watch you through the machine
そして機械を通してアンタを審査する…

 

[hook]
And I will remember your name and face
そして俺はアンタの名前と顔を記憶するだろう
On the day you were judged by the funhouse cast
その日、幽霊屋敷の面々に審判されたのさ
And I will rejoice in your fall from grace
そしてアンタの『恵みの秋』に俺は喜ぶのだろう
With a cane to the sky, like
杖を空にかかげ、様は
None shall pass
通しはしない

 

 

【翻訳練習】Dirty Dike - Prawns

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Dirty Dike - Prawns

 翻訳練習、第3回は前回から引き続きDirty Dike、アルバム『Sucking On The Prawns In The Moonlight』から表題曲『Prawns』です。

 

 最初このアルバムタイトルを見た時「???」みたいになったことを覚えているんですが、最後まで聴いて分かるのはこの「???」が正しい反応だったということです。つまり"荒唐無稽"こそがこの表題の意味する所なんですね(おそらく)。あるいはPrawns(エビ)がMVの通り、薬物か何かの隠喩ということも考えられますが...

 

- ◆ - 

 訳しててふと思ったんですが、UKの一部のラッパーはこういった"荒唐無稽"さを、『ドラッグによる幻覚症状』という理由を担保にして"リアルさ"を表現している節があるんじゃないかなと。もちろん憶測に過ぎないですが。

 

 ラップにおける暴力性がアメリカに比べ小さいイギリスにおいて、ギャング的なラップを得意とするのはどちらかといえばグライムMCの方です。もちろん薬物の売買だとか大麻でチル〜的な表現はグライムやUKヒップホップ問わずあるんですが、そうなると米国のラップ音楽やグライムにはない、『UKヒップホップの特異点』というのはどこに見出すのか、という話になってくるわけです。

 

 そこでDirty Dikeのようなナンセンス、あるいはJam Baxterのような幻想感やグロテスク、耽美主義的表現に注目が置かれるわけですが、これっていうのは一見完全なフィクションのようで実は『トリップを"リアルな"体験として描写している』と見ることもできるんじゃないかなと。

 

 実際この曲の冒頭は抽象的ながら注射のような描写で始まりますし、Jam Baxterのアルバム『...so we ate them whole』の歌詞カードの序文では、こんな意味深な言葉が述べられております。

The Ayahuasca experience is incredibly hard to describe.

アヤワスカの体験は説明するのが非常に難しい。

This is an amalgamation of three separate ceremonies,

これは3つの別個の儀式の融合で、

comprised of the edited and heavily watered down highlights. 

編集され、酷く骨抜きにされたハイライトで構成されてるんだ。

  もちろんリリックの全てが体験に基づいているわけではないでしょうが、このように薬物使用歴を逆手に取ることで"単純な荒唐無稽"だったものに、にわかに現実味のような何かを帯びさせることに成功している訳です。

 

 しかもこういった自動筆記に近い手法が可能になることで非常に素早く、ブレインストーミング的に詩を書き上げることが可能になり、結果として彼は2年に1枚のペースで自身のフルアルバムを完成させ、さらには客演、友人たちのアルバムのフルプロデュースまで手がけています。これは創作家の視点から見て大いに参考になるのではないでしょうか。

 

- ◆ -

 ...などと高尚な説明をしてはみるものの、今回紹介する曲は『最も無に近づいたシュルレアリスム画家』とでも表現すればいいのか、ことごとく中身がありません(爆)。おくすりの描写さえ入れとけば無秩序にも一貫性が生まれると思ってる節がある。

 

 前置きが長くなってしまいましたが、以下が翻訳となります。彼の非常に韻律に重きが置かれたスタイルをお楽しみください...

 

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[Verse 1]
It rained, pixelated rituals through connected dots
雨が降った、連続した点を貫く点描の儀式さ
And stopped depressive intervals of big pathetic system, pops
そして巨大で哀れなシステムの鬱インターバルを停止した——ブスリ


"Lie down"
"横になるか"


My sky-bound fragments of a mind drown
俺の宙を舞う意識の散らばりが沈殿していく
I ride madness on the land mines in my mouth
俺がの中にある地雷の狂気を踏み抜くと、
And my crown is shining like a thousand bright diamonds
王冠は眩しい千のダイヤモンドのように輝き
With a crowded mind vibrant in a clouded mic, silence
結露したマイクに込められた混乱の躍動に——静まり返る


"It's bliss"
"たまらない"


Something in the wind explained a simple song
風の中で何かがシンプルな歌を説明した
With every lyric intertwined with images and printed wrong
——印刷ミスされた「画像に絡んだリリック」を用いて


And not a single thing's forgot
そしてひとつの事を忘れるな
When deep within my mingled pot
俺の混濁した鍋の深くに居るとき、
A every single thing that we can think of when we think to stop
考えることを止めるとき考えられる全てのこと——
It's not a lot, but trust me it's my universe
それは多くはないが、信じな、そいつは俺の宇宙
I'll burst the fucking music out the human in a lucid verse
明快な詩で人間にクソッタレな音楽を解き放ってやるぜ

 

[Hook]
I guess some people feed off the drugs and effects
いくらかの連中はヤクと効能で力を得てると思うぜ
While these other people dream about the money and sex
この他の連中が金とセックスを夢見る間にさ
I see people being feeble when they're juggling debt
よく分かるよ借金を繰るとき連中が弱ってるのが
Me, I'm living like a human being, love or respect
俺、俺なら人間らしく生きてる、愛すか尊敬しな

 

[Verse 2]
There ain't a single fucking thing I won't explore within
クソのひとつもない——俺が探査しない物事は
Force it in
押し入る
I take the biggest portion, bored - I pour the gin
俺は最大のポーションを取る...つまらん——ジンを注ぐ


There ain't a flying pig or universe I could ignore
無視できた空飛ぶ豚や宇宙はない
I simply see the purest love in everything you're looking for
俺にはあんたの探す全てに純粋な愛が見て取れるぜ


There ain't a friend I could've banned
絶交できた友人はいない
Oh man I'd die for mine
おお、俺は俺のために死ぬだろう
The one thing I keep inside my mind is sticking right beside
俺が心に留めてることのひとつは「右に倣え」だ


There ain't a simple pickled reason why I'm such a dick
俺が酷くチンチン(嫌な奴)なことに単純でチンチンな(酔狂な)理由はない
Maybe it's because the times you've seen me, I'm just fucking pissed?
おそらくあんたが俺を見かけた時、俺はクソほどションベンして(酔っ払って)たろ?


"Trust in this"
"確信するね"


There ain't an evil bone inside my skin
俺の皮膚下に悪魔の骨は通ってない
And I ain't here to cry alone and play the tiny violin
そして独りで泣いてちっぽけなバイオリンを弾くために俺はここに居るわけじゃない


I'm just thinking
俺はただ思ってるんだ
Triple gin slings on a crystallised bed of silver skin is what I sink in
銀結晶のベッドにのった三杯のジン・スリングこそ俺の沈んでいくものだと


So chin chin
だから乾杯しよう
Raise a glass, a snorkle and a spout
上げろグラスを、シュノーケルを、水差しの口
Drink away your boredom, take an awkward little bow
お前の退屈を飲み干して、ぶざまな小さい弓を摘め


Now struggle with the force in your house
今、強いられた足掻きがお前の家庭に
Now you're juggling these mother fucking prawns in your mouth
——今、お前はこのクソったれなエビ達を口でかき混ぜている

 

[Outro]
Move by
場所を変える
Man I'm too high
なあ俺はブッ飛びすぎ
Sucking on these prawns in the moonlight
月明かりの下でエビにむしゃぶりついてる


Move by
場所を変える
Man I'm just too high
なあ俺はマジでブッ飛びすぎ
Sucking on these prawns in the moonlight...
月明かりの下でエビにむしゃぶりついてる...

 

【翻訳練習】Dirty Dike - Morph Into Any Shape

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Dirty Dike - Morph Into Any Shape

 翻訳練習シリーズ、第二回はおなじみダーティ・ダイク先生の初期の傑作『Constant Dikestar』から、多音節韻の凄まじいこのナンバーを。

 ダーティ・ダイクは代表曲の『Pork Pie』などで確認できるように、白人らしい整然とした、重厚かつ軽快な韻律を特徴としています。この曲は特にその"とにかく気持ちの良い多音節韻を!"という気概を300%全労力捧げて作った至極の一品といった所でしょうか。もはや韻を踏んでいない箇所がない...(苦笑)

 

 まあとにかく格好良いだけなんですが、所々の行で巧みな表現力が垣間みえてオオッとさせられます。いたる動画で酷評(褒め言葉)されてる彼ですが、伊達に英国のヒップホップ面を支えてないなと思いますね。そんではどうぞ。

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[Intro]
Morph into any shape
モーフ・イントゥ・エニー・シェイプ
Me and floor separate
ミー・エン・フロー・セパレイト
Torture is everyday
トーチャー・イズ・エブリデイ
Boredom I levitate
ボーダム・アイ・レビテイト
Pausing and pressing play
ポージング・エン・プレッシング・プレイ
Snorting to meditate
スノーティング・トゥ・メディテイト
Thought swinging mental case
トート・スウィンギング・メンタル・ケース
Born into centrestage
ボーン・イントゥ・セントラルステージ
Poor but I'm getting paid
ポー・バット・アイム・ゲッティング・ペイ
More than your penny wage
モー・ダン・ヨー・ペニー・ウェイジ
I let my head engage war on an empty page
アイ・レット・マイ・ヘッド・エンゲージ・ウォー・オン・マイ・エンプティ・ページ
I bet I generate
アイ・ベット・アイ・ジェネレイト
More than you've ever made
モー・ダン・ユーブ・エバー・メイド
Talk to my pen and say more than my head can take
トーク・トゥ・マイ・ペン・エン・セイ・モー・ダン・マイ・ヘッド・キャン・テイク...


[Verse 1]
I'm fucked, sitting in this room with a different view
滅茶苦茶だ、俺は違う視点でもってこの部屋に座ってる
And this is due to the tube I've been sniffing through
そしてこいつは俺が嗅ぎ上げてきたチューブによるものだ
And is it true, if you live like a vampire?
もしお前が吸血鬼みたく生きるなら、これで正確か?
Life backfires like a night with a crap flyer
人生はくずフライヤーを抱えた夜みたく裏目に出る

 

Well that's a risk that I'm willing to take
まあそれは喜んで取るリスクだとも
I sit in a state and my face says "give me a break"
荘厳と座りこみ、俺の顔は言う「休憩をくれ」と
I digging my crates of drum'n'bass, missing the days
ドラムンベース箱を掘る俺、懐かしい日々
When I lived to play the killers at the biggest of raves
レイブの最高潮でキラーチューンを流すために生きてた頃さ

 

But now I've hit an age - much as reminiscing is great
だが今じゃ俺は歳を食った——回顧が素晴らしくなるほどに
I refuse to be a victim in this history cage
俺はこの経歴の檻の犠牲になることを断るね
I live in this place and literally think its a game
俺はこの場所に生きるし、これは文字通り"ゲーム"なんだと思う
Where continues cost nothing if you're willing to play
——進んでやる気なら継続コストのかからないゲームだとね

 

So I, smoke skunk so much that my throat's fucked
だから俺は、喉を痛めつけるスカンク山ほど吸い込み
I show love, go nuts till I'm grown up
愛を見せ大人になるまで好き放題やる
No love could ever take away the stupid feeling
馬鹿げた感覚を奪い去ることはできなかった
That most chicks are aliens and James is human being
殆どの女は異星人で、俺は人間なんだよ

 

[Hook]
Morph into any shape
どんな形にも姿を変え
Me and floor separate
自分とフロアを区切り
Torture is everyday
拷問は毎日で、
Boredom I levitate
退屈に俺は浮揚し、
Pausing and pressing play
停止しては再生を押して、
Snorting to meditate
瞑想に鼻を鳴らし、
Thought swinging mental case
考えが神経患者を振り回して、
Born into centrestage
ステージ中央へと産みだす

Poor but I'm getting paid
貧しいが俺はギャラを貰ってる
More than your penny wage
お前のしょぼい賃金より多くを
I let my head engage war on an empty page
空っぽのページで俺は俺の脳を戦争させる

I bet I generate
俺は巻き起こすだろう
More than you've ever made
お前が作り出したものより多くを
Talk to my pen and say more than my head can take
自分のペンに話しかけ、語るのさ、俺の脳が受け取れるより多くを

 
[bridge]
Aaahhhggg...
ああ...


[Verse 2]
I walk to my death and cause water to separate
俺は死に向かって歩き水を二つに分離させる
Lords of the heavens ain't sure if I'll get a place
天国の主は俺が居場所を得られるか定かじゃない
Clawing a weapon as I gawp at the devil's face
悪魔の顔を覗き込みながら武器を引きずる
Sawing the metal chains, sure that they'll never break
金属の鎖を断ち切りな、奴らはまず破れることはないぜ

 

Four letter second-name taught me to get away
4文字の姓は俺に逃げることを教えてくれた
I crawl into bed and lay snoring the Zeds away
俺はベッドに潜り込み、Zの字にイビキをかかせる
Caught nicking lemonade in stores, I was ten or eight
店でレモネードを盗み取った、俺は10歳か8歳だったか
But anyway, I'm less a mate more each and every day
まあとにかく、俺は日ごとどんどん仲間を少なくしていった

 

Saw to the everglades
フロリダの湿地帯を見に行った

 

...I talk stories and let 'em change forcing
...俺は物語を喋り、強制的にそれを変えさせる
The letters straight scoring
文字が一直線にスコアを刻み
The sentence made more sick than getting AIDS surely
文章はエイズにかかるより確実に病気にさせる
"You're me"?
"お前は俺"だと?
Never mate, I desecrate your beat
ありえない、俺はお前の脈を乱すぜ

 

[Hook]
Morph into any shape
どんな形にも姿を変え
Me and floor separate
自分とフロアを区切り
Torture is everyday
拷問は毎日で、
Boredom I levitate
退屈に俺は浮揚し、
Pausing and pressing play
停止しては再生を押して、
Snorting to meditate
瞑想に鼻を鳴らし、
Thought swinging mental case
考えが神経患者を振り回して、
Born into centrestage
ステージ中央へと産みだす

Poor but I'm getting paid
貧しいが俺はギャラを貰ってる
More than your penny wage
お前のしょぼい賃金より多くを
I let my head engage war on an empty page
空っぽのページで俺は俺の脳を戦争させる

I bet I generate
俺は巻き起こすだろう
More than you've ever made
お前が作り出したものより多くを
Talk to my pen and say more than my head can take!
自分のペンに話しかけ、語るのさ、俺の脳が受け取れるより多くを!

 
[Outro]
Aaahhhggg...
あああ...

 

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【翻訳練習】 Jam Baxter - Breakfast

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Jam Baxter - Breakfast

 

 英国保守党の過半数獲得を記念して!(ジャムバクスターは保守党嫌いだそうけど)

 こちらの曲はJam Baxterの名盤『...So We Ate Them Whole』のラスト曲になります。アルバム全体を通してイギリスの名プロデューサーであるChemoがプロデュースしており、ほぼ全編を通して冷ややかな楽曲が続きます。

 そこで最後の最後にこの暖かなビートで締められるカタルシスといったらない!んですが、内容はバクスターお得のグロテスクな世界観が爆発する散文的な内容となっております。別に涙を誘うようなものはなく、だいたい脈絡のないトリップ描写なので真面目に追うだけ無駄です。あしからず!

 「翻訳練習」のとおり、誤訳だらけで内容の保証はできませんが...どうぞ!

 

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[Intro]
Where are we?
ここはどこ?

 

My master the Magician in Black will see you now
私の主人、黒の魔術師が今にお目見えしますよ...

 

[Verse1]
In a café built high atop the edge of all morning
午前終わりの崖頂上高くに建てられたカフェで
Cream uncoiling in the coffee she's pouring
彼女の注ぐクリームがコーヒーにほどけていく
Aromatic mine ground down to the granules
封じ込められた香りが粒状にすり潰される
Pebble dashed face like a cruel child's drawing
残酷な子供ののように無機質な表情

 

The same preamble
同じ前口上
The old exit sign that glows green almost seems supernatural
緑に光る出口標識はほとんど超自然的に思える
The phone rings she presses cancel
電話がなり、彼女がキャンセルを押す
And sinks back tied to an anchor entangled
そして絡まった錨に背を沈めて縛られた——

 

Unless her dream steam rolls from stage fright
舞台恐怖症で"彼女の幻覚"が潰れない限り、
Then he ain't gonna' fill the chair opposite and seem real
彼は向かいの席に座るつもりはないし、それは現実だと見える
Fate he sealed by the same logic
必然だ——彼が要求した
That says "burn this whole place down for a free meal"
"タダ飯のためにこの場を焼き尽くさないか"と同じロジックの

 

Unless time pays for seven year ransom
身代金の7年を支払わなければ、
Disease ain't gonna spare one dead relative
疾患は死の親戚を見逃してくれない
In that case the rums still on offer next door
その場合、ラム酒はずっと隣に供される
A discounted flush for a handful of sedatives
——じゅうぶんな酔いの鎮静を差し引いて

 

With a facial expression that could paint a whole dead flooded city on the back of any retina in two seconds
二秒で滅びた冠水都市を網膜の後ろに描ける表情で
Lips like a novel that's barely worth reading
唇は読む価値のない小説、
Eyes like abused tenants
目は虐められた借り暮らしのよう

 

Oil covered seagulls rife in the squelch of quick muttered pleasantry
油塗れのカモメが早口の冗談にぴちゃぴちゃ音を立てる
The view outside was that long smashed down farm
外に見える景色は打ち壊された広大な農場だった
Buried in a year seven science class memory
——7年生の科学の授業に埋もれた記憶
I smiled
俺は笑みを浮かべた

 

She looked up once
彼女は一度顔を上げ、
And mouthed the words "FUCK YOU" with all sincerity
そして「くたばれ」という言葉を口にした——嘘偽りなく

 

[bridge]
My master the Magician in Black will see you now
私の主人、黒の魔術師が今にお目見えしますよ...

 

[Verse2]
I guess he didn't see the menagerie of animals
彼は動物園を見なかったと俺は推測する
Flapping in the strobe light cover to the left
ストロボライトのカバーがへと点灯する
Or the tentacles creeping from the apron of the waitress
あるいはウェイトレスのエプロンから忍び寄る触手か
Dipped in the grease tank, Strangling the chef
下水溝に浸した、シェフの首を絞めて

 

The tiny faced business man
小さい顔のビジネスマン
With a mug that demands every lost shred of laughter in the air
ぶらんの擦り切れた失笑を求めるマグカップ
With the mass like spit balls pasting his pale skin
彼の淡い肌に張り付いた唾の泡のような魂
Leaving the white moss glued to the chair
白い苔を剥がして椅子にこべり付ける

 

The child spewing acid in the sky like a lime green Las Vegas fountain
ラスベガスのライムグリーンの噴水のように空に酸を吹き出す子供
The moneys on red
賭け金は赤マス
The futures on black
未来は黒マス
Wheel spinning in reverse
ルーレットは逆回転し、
The house wins your scalp
カジノは戦利品を奪い、
Flies nest in the neck
には蠅が巣食っている

 

The frozen old man with the thick spittle waterfall drowning his eggs in saliva
凍てつく老人が分厚い唾液の滝にタマゴを溺死させては、
Salmon re-spawn in his mouth, bare swipe at the hatch stains
鮭が彼の口に再び現れ、歯垢が孵化して裸体を打ち付け、
He wipes at his jaw like its minor
彼は大したことなさげに口を拭き上げる

 

The wall behind crumbles
背後の壁が崩れる
A man within a Hi-Vis impales every hard hatted goon on his tusk
液晶に映る男がで目深帽の暴漢を串刺しにしていく
Leaving the city half built gaping up
街を半分のこして大地に裂け目を生み出す
As vines crush cranes at the first month of dusk
夕刻月初めのブドウ圧搾機のように

 

The creamy eyed sloth with loose skin befitting of an oversized gimp mask
ゆるい皮膚にふさわしいオーバーサイズの拷問マスクを被った垂れ目のナマケモノ
Rabbit holes hidden in the fold of his brow
ウサギの穴は彼の眉間のひだに隠され繋がっている
Lead to a cave where his devils all swing dance
——彼の悪魔たちが社交ダンスを踊る洞窟へと


 I saw it all over breakfast
 俺はそれ全てを朝食ごしに目撃した
 Opposite that pug-faced empress
 向かいに座るパグ顔の皇后
 Sour little foul-mouthed temptress
 窄めた口でかどわかす淫らな妖婦
 I paid up and walked out restless
 俺は会計を済ませ、落ち着きなく店を出た——

 

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【Quake(仮)】②まだ歌われていない営み

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ビールケースは用意した。その上で何を説く?


 て第一回では「どうやって海外との差別化を図るか? "どう歌うか"?」という点に重きを置いて材料を探してみました。和楽器や80年代のラップ、マスロックあたりを参照することでぼんやりとした全体像が見えてきたと思います。

 しかし"何を"歌えばいいんでしょう?

 

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(utakiki氏のツイートを借用。言及ありがたいです...)

 

 従来のヒップホップのように私生活についてアレコレ述べるというのも良いですが、それだとわざわざ新ジャンルを名乗る意義が弱いように思えます。もちろん日本には銃社会のゲットーや根深い人種差別はなく(貧困はそこいらにありますが)、劣悪環境があるとしてもSHINGO☆西成やANARCHY、BAD HOPなどの面々が既に表現済み。かといって日常的なことはラップでなくともロックやポップスでだって表現できるわけです。

 例えばトラップシーンでは「金・女・暴力と共存する軟弱さ」や「薬物賛美とそれに対する葛藤」のような若者らしい矛盾が散見され(全部ではないですが)、グライムシーンでは「郵便番号レベルまでのローカル」、良い意味でこじんまりとした範囲での物事を説いていたりします。そしてスラングの数々...

 

 ではあえて客観的に、"日本でしか歌えないこと"、あるいは"日本でこそ歌うべきこと"を考えるとどんな要素が浮かぶでしょう。忍者、侍、ゲイシャ、ハラキリのようなステレオタイプでしょうか?

 確かにそれらは諸外国から見て特徴的ではありますし、Huluで"日本的"な映画を探せばそのような文化が該当するかもしれません。しかしあくまでそれらは過去の産物、アイコンであり、現在の自分たちの立場を表しているものではありません。わざわざ甲賀や伊賀まで忍法の修行をしにいくこともないですし、そもそも銃刀法で刀は持てないわけです。

 というわけで今回は『今の自分たちの何を表現するのか?』それについていくつかの要素を取り合げてみることにします。

 

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【Quake(仮)】新ジャンル提唱のための前書き、あと材料各種

 

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固定観念に"震災"を起こせ

 

 塚治虫がコマ割りに革命を起こして"Comic"から"Manga"へ独立させたように、日本のラップミュージックも既存のジャンル...つまりヒップホップやトラップ、グライムなどから独立できないかなと考えるわけです。

 なぜ独立しようとするか!まず第一に『自立した文脈がなければずっと海外のトレンドを追いかけ続けるだけになって、ようするに"先頭"にはなれないから』です。

 今日のマンガ界は数え切れないほどの個性で溢れていて、先人若手ふくめ海外のバンドデシネやアメコミからの影響を公言している作家はたくさんいます。しかしそれら全ての作家が"漫画家"たりえるのはひとえにマンガの作法に乗っ取っているからだと思うわけです。つまりコマ割りや特徴的なデフォルメ技法...などなど、いかなる影響があっても根幹をなす定義の存在を第一にしている。

 何が言いたいかというと、日本の音楽もコマ割りのような新しい技法、枠をでっちあげて、その上でやったらいいんじゃないの、ということです。そしてその大枠の中でさまざまな分岐を新しく作り出していく。海外から分譲された土台ではなく、です。

 

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【UK Hiphop】英国ヒップホップはDirty Dikeから知れ!

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英国Hiphopシーンの復活、その立役者

 

 ンブリッジ出身、元レイブシーンのDJ..."汚い堤防"のMCネームの通り、彼はイギリスのヒップホップでも随一の底汚さを誇るラッパーです。猥雑さの目立つリリックは過剰かつ整然とした韻律で占められていてヘッドバングに耐える完成度ながら、半分くらい意味不明であることも魅力のひとつです。

 その破綻したスタイルは技術以上に"彼自身の魅力"で成り立っているといって良く、代表曲のひとつ『I Ain't Got A Crue(確証にはならない)』でもその点に言及しています。

 

Dirty Dike - I Ain't Got A Clue

"Rappers stepping to me, they want to get some
ラッパーどもが近づいてくる、関係が欲しいのさ
But most of them should go and eat a hand full of fuckin' shit
だが大半の連中はやってきて手に余るウンコを喰らうだろうね" 

 

 そんな誠実とは言いがたい彼がなぜ"立役者"となりえたのか? 今回は彼の成し遂げた多方面での功績に目を向けながら、最新の英国ヒップホップシーンも紹介していきたいと思います。

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