Roc Marciano - Reloaded
NYはロングアイランド、ヘンプステッド出身、10年代のラップの基礎を築いたともいえる東海岸アングラの悪党Roc Marciano。耳の早い人なら彼の楽曲の格好良さはよく知っているかと思われますが、その中身がどんなものだったか把握している人は少ないのではないでしょうか? 少なくとも自分はこの翻訳を終えるまで存じ上げなかったです。
彼はMVで見た通りおっかない裏稼業の人(本人曰くただのキャラクター設定らしいですが、果たしてどこまで本当なのやら...)としてのラップを武器としており、人を殺めたり売春の斡旋をしたり、まあ無茶苦茶やっております。
それ自体も格好良いんですが、読み解いていくと彼を一躍アングラの盟主たらしめたのはそのキャラ設定やビートのド渋な格好良さだけでなく、卓越した言葉遊びの技術でもあるということが見えてきます。
執拗に韻を踏み、執拗なまでにダブルミーニングを織り込むさまは狂気の域と言っていいですね。半分暗喩によるこじつけみたいな所もあるんですが、ギリギリの所で成立している。日本語ではなかなか目にかかる類ではないので、興味深いものがありましたね。
ライムは深っっっけえ.........ということを嫌と言うほど思い知らせるアングラの美学を、このアルバムを契機として味わってみてください。何かインスピレーションを引き起こすやもしれません。それどころか自分は脳みそぶっ飛ばされましたけどね!
そんなわけでRoc Marciano『Reloaded』、どうぞ。
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Roc Marciano - Reloaded
01. Tek to a Mack
02. Flash Gordon
03. Not Told
04. Pistolier
05. Two Zips
06. 76
07. We Ill
08. Deeper
09. Death Parade
10. 20 Guns
11. Peru
12. Thread Count
13. Nine Spray
14. Emeralds
15. The Man
16. Sweet Nothings